2005年05月29日

その河をこえて、五月

2005年5月29日(東京公演千秋楽)
新国立劇場小劇場

韓国と日本、二つの国の人々が交流する物語。
思ったよりも重すぎず、かといって、軽すぎず‥‥。
やはり、再演されるだけのことはあるなぁと。非常に素晴らしかったです。
今後も、九州や神戸、そして、韓国のソウルで公演が行われるとのこと。
まだチケットは手に入ると思うので、少しでも興味のある方は観て損はないと思いました。

以下、感想など。

*****

そもそも「〜エレクトラ」で堺さんの母親役をやっていらした三田和代さんが出演なさるということで、注目した舞台でした。
しかし、そのあらすじを知って、多少躊躇いました。
再演であり、三田さんだけでなく「ビューティフルサンデイ」の小須田さんも出演なさる以上、芝居として面白くないわけがないだろうとは思うものの、日本人として観ていてツライ話なのではないか?と。
そこで、一人で見に行く勇気はでなかったので、この舞台の初演当時(2002年)から韓国に興味を持っていた弟(要するに、サッカー小僧で、好きな映画は『JSA』)に声をかけてみることに。
すると、弟の方は観てみたい気持ちはあるものの、金銭的な面でためらいが‥‥。
そこで「姉ちゃんがチケット代は払うから」ということで交渉成立。
姉弟そろって新国立へと足を運んだというわけです。

以下は感想ですが、内容について触れてしまう部分もあるかもしれません。
御注意ください。

*****

さて、まずは劇場とセットのこと。
今回の訪れた新国立劇場の小劇場は、当然のことながら「〜エレクトラ」が上演された中劇場よりもさらに狭く舞台が近く‥‥。
セットは韓国の河原という設定。舞台上手寄りには大きな桜の木が有り。
舞台手前の両端には、高架橋の橋脚らしいコンクリート色の幅1メートルはあろうかという柱が1本ずつ。
そこにはプロジェクターの光で文字が映しだされており、上演中は韓国語のセリフに対する日本語字幕が表示される仕組みになっていました。
(おかげで、韓国語がわからない私でも大丈夫でした。)

開演5分前。
まだ入場している人がチラホラいる中、舞台上で役者さんが芝居を始めたのにはビックリしました。
といっても、別に大騒ぎするわけではなく、韓国語教師の母親役の白星姫さんと三田さんがそれぞれ登場し、無言で桜を眺めて立ち去っていくだけなんですけれど。

物語の内容については、説明するのが非常に難しいです。
とにかく、色々入り組んでいたので。
簡単に言えば、韓国在住の日本人達が通う韓国語教室の花見に韓国人教師とその家族(母親と弟夫婦)が招かれ、その家族内の問題に片言の韓国語しか話せない日本人生徒達が巻き込まれていく‥‥というような話、だと思いました。
一つの家族の問題を通して、単なる韓国人対日本人の構図だけでなく、登場人物たちの世代・性別・立場の違いが次第に浮き彫りになっていくのが非常に面白かったです。
そして、言葉が通じないことから生じる可笑しさとその壁を越えて分かり合えた時の嬉しさに、客席で観ているこちらもニコニコしてしまいました。

また、花見、つまり酒宴での会話が非っ常にリアルでした。
何人かが、同時に別々のことを好き勝手にしゃべるのです‥‥。
今回はその上に二つの言語が混じっていたので、最初はずいぶん混乱し、呆気にとられましたが、大事な部分はきちんと伝わるようになってました。
字幕もついていましたし、片言しか韓国語が分からない生徒達との会話を成立させるために、日本語の分かる韓国人キャラクタたちがきちんと通訳もやってくれてましたし。(その不完全な通訳によって、さらに混乱が深まる場合もありましたけど。)
これは、台本書くのも実際に演じるのも大変ですよ、きっと。

小須田さんと、その彼女役を演じてらした女優さんが「喧嘩してても仲良し」で可愛らしかったですね。
カーテンコールで手をつないで登場したりして、本当に仲がいいのだなーと思いました。

終わり方が比較的アッサリしている印象。
弟とも、終演後に話したのですが、もう一つぐらいエピソードがあるんじゃないか?という気がしました。特に、林田君(役名)がらみで。

自分が「日本人である」ということについて、再認識させられました。
だからといって、何か大きなことが出来るわけでもないのですが。
とりあえず、相手がどこの国の人間であろうとも、先入観や偏見抜きに、まず人としてきちんと接することが大事なのではないかと思いました。
日本人が相手でも、難しい時はありますけどね。

5年後ぐらいに再演されたら是非観てみたいですねぇ。
また違った内容になるんじゃないかと思うので。
しかし、弟を巻き込んででも観てよかったです。いいお話でした。
posted by ベス at 19:42| ☁| Comment(0) | 舞台・ライブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。